心電図の原理
心電図は主に心臓の「電気的活動」を観察します。
簡単に言うと、興奮が心臓のどこで始まり、どう広がるかを記録します。
心電図のそれぞれの波形は、体表面の2点間の電位差を表しています。
時間の経過に従い変動する2点間の電位差を波形として表したものが心電図、記録紙上に記録させる装置が心電計です。
心電図を記録する機器は心電計です。
記録された波形は心電図です。
例えば病棟で「心電図持ってきて〜!」と言われたら、記録した心電図か心電計なのか、判断しましょう!
心臓興奮ベクトルの方向と波形の向き
心電図波形の上向きと下向き
心電図における「誘導」は、「興奮ベクトルを観察するための視点」と考えます。
その視点に向かってくる興奮は「上向き=陽性波」、遠ざかっていく興奮は「下向き=陰性波」として表現されます。
電気刺激が単極電極に向かって、あるいは双極誘導の陽電極に向かって進む場合、電流計は正を記録し上方へのゆれを記録します(陽性波)。
一方、電流刺激が単極電極から、あるいは双極誘導の陽電極から遠ざかる場合には、電流計は負を記録し下方へのゆれを記録します(陰性波)。
興奮が視点の前を横切るのみの場合、二相性のプラスマイナス波形となる。これは心房、心室興奮のいずれにも当てはまります。
心電図の電位差の振幅はごく小さく、ミリボルト(mV)レベルです。